2006年09月11日

今日は、9.11

 昨日も記事を書いたが、今日は、アメリカニューヨークで世界貿易センタービルに、2機のハイジャックされた旅客機が突入し、3000名以上の死者が出た、未曾有のテロが実施された日である。
 同時に、アメリカ国防総省(通称ペンタゴン)にも1機が突入し、またホワイトハウスかキャンプ・デービッド山荘(大統領の賓客接待用の施設)のどちらかに突入予定らしかった飛行機は、途中墜落して、乗員、乗客が犠牲となった。いわゆる「同時多発テロ」といわれたゆえんである。

 このこと自体はきわめて衝撃的なことで、犠牲者には哀悼の意を表したい。
 しかし、アメリカ(ブッシュ政権)が、「テロとの戦い」を標榜し、最近では、20世紀の東西イデオロギー対立を引き合いに出して、「21世紀のイデオロギー戦争」と強調している。
 しかし、それは、ブッシュの主観に基づく、詭弁でしかない。なぜなら、アルカイダなどのテロ組織には、イデオロギーなど無いのだから。あるとすれば、「反アメリカ」という思想であろう。

 この種を播いたのは、元はアメリカに責任がある。
 パレスチナ問題でのイスラエルへの極端な肩入れ。イスラム教国に対する最初から根拠の無い敵視政策(ここら辺は、ブッシュの宗教的性向に起因すると思われる)。などである。
 否。アメリカはそれ以前から、世界の多くの国で嫌われ者になってきていた。個々の国、地域の実情は別として、アメリカの行動は、時に博愛の精神を見せながらも、自国の権益はがっちり奪う、っと言う利己主義的なもので、当事国の国民からは憎まれてきた。(例外は日本。自衛隊を持っても、戦時統帥権はアメリカが事実上握っており、アメリカの属軍扱い。沖縄をはじめとして巨大な基地が存在し、日米地位協定では、米軍の犯罪者の処分も日本では自由にできない。未だに日本はアメリカの半占領下にあると言っても過言ではないが、アメリカ大好きなのは日本人の特徴。)

 私の大学時代の政治学の教授は、「アメリカは、何故自分達の国が憎まれるのか、それを知る必要があるのに、知ろうとしていない」と述べた。特に政治的に偏った思想の持ち主ではなかった。
 私もそう思う。

 この流れの中で、実は、9.11は、アメリカが、それまではぐくんできた、アメリカへの憎悪が、劇的な形で現れた、歴史の中の一事件であって、
決して、あの日から「テロとの戦い」が始まったのではなく、もっと長い時間に醸成された、「反アメリカ」の思想が、強烈なパンチとなって現れたに過ぎない。
 そして、昨夜のNHK海外ニュースでもやっていたが、憎悪は憎悪を呼ぶ。9.11の復讐を唱えたブッシュによる、実は無関係な諸国への軍事侵攻や圧力は(目的は、ブッシュの人気取りと、イラクの石油利権の奪取)、多くの市民にまで犠牲者を出し、それらの遺族はアメリカへの復讐心をたぎらせて、テロリスト、または反米勢力の兵士となっていくという、「憎しみの連鎖」が世界中に広がってしまった。
 NHKの同番組に出ていた、アフガニスタンのタリバンの若い兵士は、元は一市民だったのが、アメリカ軍の無差別空爆で、両親と兄弟2人を殺され、アメリカへの復讐を誓い、一度は壊滅したはずのタリバンに兵士として参加したそうである。
 ブッシュは、「砲弾の下」の人々(アメリカ軍兵士を含む)のことを考えず、自分の支持率と、軍需産業擁護(「テロとの戦い」を口実に、アメリカの軍事予算は1.5倍になっている)、そして、侵略した国の利権(アフガニスタンでは鉱物資源、イラクでも鉱物と石油)を狙い、独占的に囲い込んでいる。要は彼個人の利権漁りに過ぎない。
 旧日本が行った侵略戦争となんら変わることは無い。
 結果、アメリカへの憎しみは増幅され、新たなテロを生み出しているのが実情である。

 繰り返すが、9.11は、それ以前のアメリカの独善的戦争外交の結果生み出された、反アメリカ感情の発露に過ぎない。そして、それを自らの利権に利用しようとしたブッシュ大統領の政策の結果、テロの根は規模も範囲も大幅に拡大し、アメリカの同盟国でまで、多数の犠牲者を出す結果となっている(イギリスの地下鉄爆破、スペインの列車爆破。いずれの国もイラクに出兵)。
 ブッシュは軍需産業を含めた利権のある限り、今の政策を変える気は無いであろう。また、宗教的言辞によって、イスラムとの「文明の衝突」を招いたのも、彼の失点である。

 ソビエトの自壊により、「唯一の超大国」といわれるようになったアメリカだが、その力を、世界の安定には使わず、敵もいないのに軍事力を拡大し(軍需産業の利権のため)、敵を無理やり作っては、乱暴狼藉を働く。超大国ではあっても、その行動は子供と変わりが無い。

 この状況をどうにかできるのはアメリカ国民しかいない。秋の中間選挙で、共和党はかなり不利が予想されている。このような形で、アメリカの中のリベラルな勢力が、ブッシュに「NO」を突きつけなければならない。さらに次の大統領選挙の行方である。前回は、民主党の候補が悪かった。
 今のアメリカの状況をどうにかしない限り、「憎しみの連鎖」がやむことは無い。
posted by 山猫 at 00:41| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(1) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
アメリカと日本には、指導者をふくめ世界が見えない人が多いのはなぜでしょうか。米国民主党も次期有力候補がヒラリー・クリントンではあまりかわりそうもないですね。
Posted by ましま at 2006年09月13日 11:30
>ましまさま
 わざわざコメントありがとうございます。
 硬派の記事が2割、あとはアニメやマンガの記事という、バカブログに、ようこそ。
 日米に限らず、為政者が世界の全体を見ない理由は、「見えない」のではなく、彼らの地位における、「職業的利権漁り」が、目の前の目的になっているからでしょう。
 「権力は腐敗する、絶対的な権力ほど絶対的に腐敗する」という言葉がありますが、今の政治家には、独立闘争や革命の時のような、理想に燃えた勇士・烈士は姿を消し、既存の枠組みでいかに自分と取り巻きに金をもうけさせるかが、至上命題になっているのでしょう。
 とにかく、護憲を目指してがんばりましょう。
Posted by 山猫 at 2006年09月13日 12:10
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Tracked: 2006-12-25 00:00